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エコキュートにお湯がたまらない原因と対処法を解説
2023.4.27お役立ちコラム
エコキュートのお湯がたまらなかったり「エコキュートのお湯張り遅いな……」と感じたりした際、どのように対処すべきでしょうか。お湯がなかなかたまらない原因には、エコキュート本体に問題があるケースと、エコキュート以外に問題があるケースの2つがあります。エコキュートの貯湯タンクにお湯がたまらないのか、浴槽へのお湯張りが遅いのか、しっかりと問題を切り分けて考えましょう。本記事では、エコキュートでお湯がたまらない7つの原因と対処法を分かりやすく解説していきます。
エコキュートの貯湯タンクにお湯がたまらない原因
エコキュートは沸かしたお湯を貯湯タンクにため、必要に応じて給湯する仕組みです。エコキュートのお湯がたまらない場合、貯湯タンクの残量をチェックしてみましょう。貯湯タンクの残量がいつもよりも少ない場合、貯湯タンクに関連したトラブルの可能性があります。貯湯タンクにお湯がたまらない原因は以下の7点です。
- 夜間にお湯を使いすぎた
- エコキュートの設定で沸き上げ量が減った
- お湯の沸き上げ中に停電が起きた
- お湯の沸き上げ中に外気温が急激に低下した
- お湯の保温や追い焚きなどを行った
- 配管や貯湯タンクで漏水が発生した
- 温度センサーが故障した
エコキュート本体に問題があるケースもあれば、停電や外気温の低下などの外的要因が関係するケースもあります。まずはエコキュートの貯湯タンクにお湯がたまらない原因を突き止めることが大切です。
夜間にお湯を使いすぎた
貯湯タンクにお湯がたまらないからといって、エコキュート本体に不具合があるとは限りません。例えば夜間にお湯を使いすぎた場合は、翌日の昼間にお湯がたまりにくくなります。 エコキュートは比較的安価な深夜電力を利用してお湯を沸かし、光熱費を節約する仕組みです。そのため夜間にお湯を使いすぎると、貯湯タンクいっぱいにお湯がたまらなくなり、翌日の昼間にお湯が出にくくなります。この場合はエコキュートの沸き増し機能(満タン機能)で急速にお湯を沸かすことにより、必要分のお湯をためることができます。
エコキュートの設定で沸き上げ量が減った
エコキュートの設定によってお湯の沸き上げ量が減り、貯湯タンクにお湯がたまらないケースもあります。エコキュートには、ご家庭のお湯の使用量を学習し、お湯を沸かす量を自動で調整する機能があります。そのため普段よりも大量にお湯を使用すると、お湯の沸き上げ量が予定よりも足りなくなり、貯湯タンクがいっぱいになりません。 また電気代の節約のため、エコキュートの沸き上げ量を減らす設定をしている場合も同じです。例えばパナソニックのエコキュートには、電気の使用量が多い時間帯の沸き上げ量を減らす「ピークセーブ」機能や、沸き上げ量を昼間と夜間で分散する「ソーラーチャージ」機能があります。こうした省エネモードでエコキュートを運転している場合、貯湯タンクいっぱいにお湯がたまらないケースがあります。
お湯の沸き上げ中に停電が起きた
貯湯タンクにお湯がたまらない場合は、外的要因も疑いましょう。具体的にはエコキュートがお湯を沸かしている途中で停電が発生したり、ブレーカーが落ちたりするケースです。沸き上げ運転中に停電すると、その間は貯湯タンクにお湯がたまりません。夜間ずっと停電が発生した場合、お湯の沸き上げが一切行われず、貯湯タンクが空っぽのまま朝になるケースもあります。エコキュート本体に問題があるわけではないため、電気が復旧したらすぐにお湯の沸き上げを行うことが可能です。
お湯の沸き上げ中に外気温が急激に低下した
お湯の沸き上げ中に外気温が急激に低下した場合も、貯湯タンクいっぱいにお湯がたまらないことがあります。 エコキュートは電気ヒーターのように、電気を流すジュール熱を利用してお湯を沸かしているわけではありません。エコキュートのお湯を沸かす部品はヒートポンプと呼ばれ、気体の圧縮を利用して熱エネルギーを取り出しているのです。そのため外気温が低いと大気の熱を取り出す効率が下がり、ヒートポンプユニットの能力が低下します。冬場にお湯がたまりづらいことがあるのは、エコキュートのヒートポンプの仕組みに原因があります。お湯の出が悪い場合は、追加の沸き上げを行いましょう。
お湯の保温や追い焚きなどを行った
貯湯タンクの残湯量は、リモコンの表示で確認できます。お湯の沸き上げを行っていないにもかかわらず、残湯量の目盛りが減っている場合は、以下の理由が考えられるでしょう。
- お湯の自動保温機能を行った
- 風呂の追い焚き機能を利用した
- 配管の自動洗浄を行った
お湯を保温した追い焚きを行ったりするとき、実は貯湯タンクのお湯を利用しています。そのため、お湯を使っているつもりがなくても、貯湯タンクの残湯量はどんどん減っていくものです。 またメーカーによっては、配管の汚れや詰まりを解消する自動洗浄機能が付いています。そうした配管の洗浄には、タンク内のお湯が使われるのです。例えばパナソニックのエコキュートの場合、1回の自動配管洗浄で約10リットルのお湯を消費します。
配管や貯湯タンクで漏水が発生した
貯湯タンクの残湯量の減り方が早い場合、配管や貯湯タンクからの漏水が疑われます。お湯を沸かしても配管や貯湯タンクからどんどん漏水するため、漏水した箇所を修繕しない限りお湯がたまりません。配管や貯湯タンクの付近が常に水で濡れている場合、漏水している可能性があります。メーカーによっては、漏水に関するエラーコードが表示される製品もあるため、リモコンの画面も確認しましょう。
温度センサーが故障した
エコキュートの温度センサーの不具合も、貯湯タンクいっぱいにお湯がたまらない原因のひとつです。温度センサーはサーミスターとも呼ばれ、貯湯タンクに内蔵されています。温度センサーが故障すると、貯湯タンクのお湯の温度を正確に計測できなくなり、沸き上げ運転が途中で停止する可能性があります。正常な沸き上げ運転後にお湯がたまっていないケースや、残湯量の目盛りが満タンなのにお湯がたまっていないケースの場合、温度センサーの故障を疑いましょう。
エコキュートで浴槽にお湯がたまらない原因
エコキュートの貯湯タンクに関連したトラブルではなく、浴槽側に原因がある場合もあります。浴槽にお湯がたまらない原因は、大きく分けて2つあります。
- ゴムパッキンやフィルターが劣化した
- 水位センサー(湯量センサー)が故障した
いずれも浴槽やエコキュートの部品の劣化が原因となっているため、交換や修理が必要です。DIYで修理するとかえって症状が悪化する可能性があるため、メーカーや取り扱い店、修理業者などに問い合わせましょう。
ゴムパッキンやフィルターが劣化した
浴槽内部には、配管のつなぎ目のゴムパッキンや、お湯を循環させる循環アダプターのフィルターなど、さまざまなゴム部品が使われています。ゴム部品は使用年数とともに経年劣化するため、ゴム部分が剥がれたり破損したりして、水漏れが発生する場合があります。貯湯タンクには正常にお湯がたまっているものの、浴槽内にうまくお湯がたまらない場合、ゴムパッキンの劣化やフィルターの詰まりの可能性を考えましょう。 ゴムパッキンやフィルターを定期的に点検することで、水漏れが生じていないかチェックできます。エコキュートのメーカーも、循環アダプターやフィルターの定期清掃を推奨しています。
水位センサー(湯量センサー)が故障した
浴槽の水位センサー(湯量センサー)が故障し、正常にお湯張りできなくなったケースも考えられます。水位センサーは、浴槽内のお湯の水位を検知し、あとどれくらいのお湯が必要か計算するためのセンサーです。水位センサーが故障すると、必要な湯量を正確に計算できず、浴槽いっぱいにお湯がたまらなくなることがあります。特にお湯の水位を自動的に保つフルオートタイプのエコキュートの場合、水位センサーの故障が関連している可能性を疑いましょう。
エコキュートでお湯がたまらないときの対処法
エコキュートでうまくお湯がたまらない場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。まずはエコキュートのリモコンにエラーコードが表示されていないか確認しましょう。エコキュートの一時的なエラーの場合、エコキュート本体をリセットすることで問題が解決する場合があります。また配管や貯湯タンクの漏水は目視でもチェック可能なため、ユニット周辺が濡れていないか確認しましょう。エコキュートでお湯がたまらないときの対処法を5つ紹介します。
リモコンのエラーコードを確認する
浴槽や貯湯タンクにお湯がたまらない場合は、まずリモコンのエラーコードを確認してみましょう。エラーコードは、エコキュートの不具合やトラブルを番号で表したものです。メーカーによってエラーコードの内容は違います。例えば日立のエコキュートの場合、C09というエラーコードでヒートポンプ側の不具合やフィルターの詰まり、沸き上げ運転の異常などを知らせてくれます。エラーコードの説明は説明書はもちろん、エコキュートのメーカーや取り扱い店のホームページに記載されているため、分からない場合はチェックしましょう。
エコキュート本体をリセットする
エコキュートの一時的な不具合でお湯のたまりが悪くなっている場合、本体をリセットすることで解決する場合があります。エコキュート本体をリセットする手順は以下の通りです。
- エコキュートのブレーカーか、貯湯タンクの漏電遮断器の電源をオフにする
- 1分程度経過してから、再びブレーカーや漏電遮断器の電源をオンにする
貯湯タンクの漏電遮断器のスイッチは、タンク正面のカバー内にあることが一般的です。メーカーによって位置が異なるため、製品ページなどで確認しましょう。
沸き上げの設定を調整する
エコキュートでお湯を沸かす量は、マニュアルで調整することもできます。例えば夜間の停電や外気温の急激な低下により、貯湯タンクいっぱいにお湯がたまらなかった場合は、昼間に沸き増し運転を行ってお湯をためましょう。ただし、夜間の沸き上げよりも昼間の沸き増しのほうが電気代が高くなります。 また朝になってお湯が足りない日が続く場合、夜間沸き上げの量を増やしましょう。エコキュートには自動で沸き上げの量を調整する機能がありますが、お湯がうまくたまらない場合は自分で設定を変更することが大切です。
配管や貯湯タンクの漏水をチェックする
配管や貯湯タンクの漏水を放置すると、お湯がたまらなくなるだけでなく、水道代や電気代の請求金額が高くなります。エコキュート本体をリセットしても症状が改善しない場合は、配管や貯湯タンクの漏水をチェックしましょう。エコキュートのユニット付近が濡れていないか確認する他、エコキュートの運転停止時の水道メーターの回り具合を確認する方法もあります。
メーカーや取り扱い店、修理業者に点検整備を依頼する
それでもエコキュートの不具合が改善しない場合は、エコキュート本体や部品の故障が疑われます。エコキュートを自力で修理するのは困難です。使用しているエコキュートのメーカーや製品を購入した店舗、修理業者などに問い合わせ、点検整備を依頼しましょう。
エコキュートでお湯がたまらないときは原因を突き止めよう
本記事では、エコキュートでお湯がたまらない原因を2通りに分けて紹介しました。エコキュートの貯湯タンクいっぱいにお湯がたまらないケースと、浴槽にお湯がたまらないケースは切り分けて考える必要があります。貯湯タンクいっぱいにお湯がたまらない原因は主に7つあります。
- 夜間にお湯を使いすぎた
- エコキュートの設定で沸き上げ量が減った
- お湯の沸き上げ中に停電が起きた
- お湯の沸き上げ中に外気温が急激に低下した
- お湯の保温や追い焚きなどを行った
- 配管や貯湯タンクで漏水が発生した
- 温度センサーが故障した
上記の原因に当てはまらない場合は、ゴムパッキンやフィルターの劣化、水位センサー(湯量センサー)の故障など、浴槽側の原因も疑いましょう。エコキュートをリセットしても状況が改善しない場合、専門の業者による点検整備が必要です。使用している製品のメーカーや取り扱い店舗などに問い合わせましょう。
この記事の執筆者:岩田
(カスタマーサポート)
大手建設会社に新卒入社し、5年間ほど広報、個人営業などの業務を経験。
2018年にエスジーに入社し、オール電化の販売サイト「エスジー」「エコランド」のマーケティングを担当。2022年からエスジー「オフィシャルサイト」の広告も担当しています。
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